最近、テレビやネットのニュースなどを見て「オンラインカジノをやっていると逮捕されるのでは?」と不安に感じている人も多いかもしれません。
日本でのオンラインカジノの逮捕例は、まだまだ少ないものの、著名人やアスリートが摘発されているのがニュースに流れるため、不安が大きくなっているはずです。
確かに日本ではオンラインカジノはグレーな印象が強く、何となくプレイしていたら逮捕されたというケースも起こりうるため、明確にしておきたいですよね。
今回はオンラインカジノで逮捕されるのかについて解説します。
逮捕された事例や逮捕の確率など、さまざまな事柄を詳しく見ていきましょう。
日本におけるオンラインカジノの現状
警視庁の発表によると、日本でオンラインカジノを利用している方は、約200万人と言われています。
国内向けに提供されているオンラインカジノも多く、スマホやパソコンを通じて気軽にプレイできることが、プレイヤー増加の理由となっているようです。
日本でオンラインカジノを利用すると、賭博罪に該当する可能性もあるのですが、利用者数に対して摘発事例は少ないため、グレーな存在として認識されています。
引用:オンラインカジノの実態把握のための調査研究の業務委託(外部リンク)
なぜオンカジで逮捕されるのか?
オンラインカジノをプレイすると、刑法で規定される「賭博罪」または「常習賭博罪」に違反したとして、逮捕される可能性があります。
日本では、賭博行為は違法とされており、海外を拠点にするオンラインカジノでも、日本からアクセスしてプレイした場合には、違法と見做される可能性があります。
では、オンラインカジノの法的な違法性や、具体的に逮捕される基準など、気になるポイントを詳しく見ていきましょう。
オンカジの違法性と賭博罪について
日本でオンラインカジノをプレイすることは、賭博罪に該当する可能性があります。
【賭博罪】
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
引用:e-Gov-刑法-
【常習賭博罪】
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
引用:e-Gov-刑法-
賭博とは、運や偶然の結果によって金銭や価値のある物をやり取りする行為で、オンラインカジノも賭博に該当します。
競馬や競艇などの公営ギャンブルは、国に認められた賭博でもあるため、例外的に合法で楽しめます。
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本からアクセスして賭博行為をした場合には、違法と見做されます。
法的には、「どの国のサービスを利用しているか」ではなく、「利用者がどこからプレイしているか」が基準となるため、日本にいる場合は日本の法律が適用されます。
警察の摘発基準について
警視庁の発表によると、2024年にオンラインカジノでの賭博に関与したとして摘発された人数は279人でした。
このうちオンラインカジノの利用者の摘発件数は162人で、利用者が約200万人と言われているため、確率としては0.01%程度です。
しかし、摘発数は前年の2.5倍に増えており、今後さらに増えていくことが予想されます。
摘発される基準としては明らかになっていませんが、摘発者数から推測すると、常習的に繰り返しオンラインカジノでお金を賭けていた場合に「常習賭博罪」として逮捕されるケースが多いようです。
また、Youtubeなどで配信活動をしている人で、常習賭博罪によって逮捕されたケースもあります。
芸能人やアスリートがオンラインカジノの利用で摘発されていますが、書類送検に止まっており、不起訴処分になっているため逮捕には至っていません。
警察庁より引用:オンラインカジノ賭博の摘発急増 24年は前年2.5倍超(外部リンク)
オンカジで逮捕される確率はどれくらい?
2024年にオンラインカジノでの賭博に関与したとして摘発された人数は279人で、オンラインカジノの利用者の摘発件数は162人でした。
警視庁の発表によると、オンラインカジノの利用者が約200万人と言われているため、逮捕される確率としては、0.01%程度と統計的には低い確率です。
この数字を見ると、「オンラインカジノを利用しても逮捕されない」と思ってしまいますが、今後取り締まりが強化されると、逮捕される確率も高まるでしょう。
過去の逮捕事例
オンラインカジノで過去に逮捕された事例は、以下の通りです。
吉本興業の芸人6人 |
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オンラインカジノで賭けをした疑いがあるとして、吉本興業の芸人6人を単純賭博容疑で書類送検した。 | 読売巨人軍のオコエ瑠偉選手(27)と増田大輝選手(31) |
オンラインカジノで賭けをしたとして、プロ野球・読売巨人軍のオコエ瑠偉選手(27)と増田大輝選手(31)を単純賭博容疑で書類送検した。 |
オリックス・山岡泰輔投手(29) |
オンラインカジノで賭けをしたとして、プロ野球・オリックス・山岡泰輔投手(29)を書類送検した。 |
卓球男子・丹羽孝希選手 |
オンラインカジノで賭けをしたとして、卓球男子・丹羽孝希選手を書類送検した。 |
勇者トロ |
オンラインカジノで賭けをしたとして、Youtubeチャンネル「勇者トロのニコ生」の配信者・石川翔多朗を逮捕・送検した。 |
ストマック |
オンラインカジノで賭博を繰り返ししたとして、Youtubeで「ストマック」と名乗る藤野正一容疑者を逮捕した。 |
オンカジ配信者わんわん |
オンラインカジノ配信者の「わんわん」こと古川若菜容疑者が、オンラインカジノをプレイする動画を配信したとして、著作権法違反の疑いで逮捕された。 |
卯月ちゃんねる。 |
オンラインカジノとアフィリエイト契約を行っていたYoutuber・卯月ちゃんねる。の伊達智美容疑者が常習賭博幇助の疑いで逮捕された。 |
北海道警巡査部長 |
オンラインカジノで賭けをしたとして、北海道警巡査部長の40代の男性を書類送検した。 |
青森市職員の49歳の男 |
オンラインカジノで賭けをしたとして、青森市職員の49歳の男が逮捕された。 |
東京消防庁職員の男(35)ら20〜60代の男女10人 |
オンラインカジノで暗号資産(仮想通貨)を使い賭博をしたとして、客だった東京消防庁職員の男(35)=東京都小平市=ら20〜60代の男女10人を単純賭博容疑で書類送検した。 |
大阪府警の警察官2人 |
オンラインカジノで賭けをしたとして、大阪府警の警察官2人が書類送検された。 |
一般人と有名人で逮捕される確率が変わる?
有名人がオンラインカジノで摘発されると「見せしめ逮捕」と思う方も多いですが、有名人だけでなく一般人も同様に摘発されています。
それぞれの母数を考えれば、一般人も有名人も同程度の確率で摘発されており、扱いが異なるということはないでしょう。
有名人がオンラインカジノで逮捕されると、ニュースなどで大々的に報じられるため、印象が強く残ってしまいますが、有名人だから逮捕される確率が高いことはないでしょう。
オンカジで逮捕されたらどうなる?
オンラインカジノで逮捕されると、以下のような流れで刑事手続きが進められます。
- 逮捕
- 送検
- 勾留
- 起訴/不起訴の決定
- 裁判

オンラインカジノを利用して賭博罪などの容疑がかかると、容疑者として逮捕されます。
逮捕されると最長で48時間に渡る身体拘束が行われ、48時間以内に警察から検察庁へ移送されます。
逮捕から48時間以内に検察庁に移送され、そこから24時間以内に検察官が容疑者を勾留するかどうかを決めます。
ここまでの段階で72時間(丸3日)の間、拘束される可能性があります。
勾留が認められると、容疑者の身体拘束が継続します。
期間は最長で10日間(延長されると最長20日間)の勾留が行われます。
証拠や取り調べを通じて、検察官は起訴か不起訴かを決めます。
賭博罪の通例では、初犯であったり、賭け金額が少額だったりする場合には、不起訴になるケースも多いです。
また、常習賭博罪ではなく、賭博罪に該当する場合には、罰金刑になるため、略式起訴で終わることもあります。
起訴された場合には、裁判が行われます。
裁判を通じて有罪判決が下ると、実際に科される刑罰が決定されます。
オンカジで逮捕された場合のリスク
オンラインカジノで逮捕された場合には、以下のリスクが伴います。
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
刑事罰を受ける
オンラインカジノの利用で逮捕されると、刑事罰を受けるリスクが生じます。
賭博罪で有罪判決を受けると「50万円以下の罰金又は科料」、常習賭博罪だと「3年以下の懲役」を受ける可能性があります。
刑事罰を受けると前科がつくことにもなるため、その後の就職や社会生活にも悪影響が及ぶでしょう。
実名報道される可能性がある
オンラインカジノで逮捕されると実名報道されるリスクも伴います。
近年、オンラインカジノは報道でも大きく取り上げられることが多いため、逮捕によって実名が報道される可能性はあります。
実名で報道されると、刑事罰に加えて、オンラインカジノで逮捕された人物としての名前がネット上に残り続けてしまいます。
日常生活にも支障が出る可能性がありますし、仮に罰金刑で済んだとしても、ネット上で名前が残ることで、刑事罰以上のダメージが残る可能性もあります。
社会的信用が損なわれる
オンラインカジノで逮捕されると、社会的な信用を大きく損ねてしまいます。
逮捕が会社にバレると懲戒処分を受ける可能性もありますし、勤務先によってはより厳しい処分が科されるケースもあります。
また、職場だけでなく、家庭や親族からの信用も損ねる可能性もあるでしょう。
オンカジで逮捕されない方法
オンラインカジノをプレイしても逮捕されない方法としては、以下の2つが挙げられます。



海外でオンカジをする
オンラインカジノが合法な国に滞在している状態であれば、特に問題はありません。
逮捕される可能性があるのは、オンラインカジノが賭博罪に問われる可能性がある日本にいる状態でプレイするときです。
オンラインカジノが合法な国で、オンラインカジノをプレイするのは、海外に旅行した際に現地のカジノでお金を賭ける行為と変わりません。
そのため、海外に滞在している方は、その国の法律に従ってオンラインカジノをプレイしてください。
オンカジが違法な国でプレイしてはダメ
日本と同様に賭博が禁じられている国で、オンラインカジノをプレイするのはNGです。
海外であれば全部OKというわけではなく、自分がいる場所の法律が適用されるという話なので、現地の法律でオンラインカジノが違法であれば違法です。
そのため、オンラインカジノを海外でプレイする時には、現地の法律を必ず確認してください。
利用規約を理解する
オンラインカジノ自体を利用するのが違法となるのではなく、違法なのはあくまで「お金を賭けること」です。
そのため、入金不要ボーナスなど、プレイヤーの入金を伴わないものだけで遊ぶだけなら問題にはなりません。
他にも、無料体験版だけで遊ぶなど、お金を賭ける行為を伴わなければ逮捕される心配はありません。
オンカジで逮捕された場合の対処法
オンラインカジノで逮捕された際は、以下の対処法を頭に入れておきましょう。



取り調べでは適切な対応をする
オンラインカジノで逮捕されると、容疑者として取り調べを受けるのですが、適切に対応することを心がけてください。
嘘をついて誤魔化そうとしても、警察側も調査を行っているため、嘘をついてバレずにやり過ごすのは難しいでしょう。
取り調べに対して嘘をついてバレた場合、罪が重くなる可能性もあるので注意が必要です。
弁護士と相談をしながら黙秘をすること自体は問題ありませんが、基本的には誠実な対応が求められます。
自首も含めて検討する
オンラインカジノを利用した経験があり、逮捕されるのを不安に感じている場合は、自首するという選択肢があります。
自首した場合、賭博の内容が軽微なものであれば、逮捕されることなく、在宅のまま手続きが進められる可能性もあります。
何らかの処分を受ける可能性はありますが、逮捕によって身体を拘束されるのは、肉体的にも精神的にも負担が大きいため、自首によって先んじて対応するのも対処法の1つです。
刑事事件に強い弁護士に依頼する
オンラインカジノで逮捕された場合は、刑事事件に強い弁護士に相談をしてください。
弁護士に相談することで取り調べの際に、何を話して、何を話さないべきなのかの整理ができます。
難しい事柄に関する判断も任せられるため、弁護士の助言を受けておいた方がいいでしょう。
賭博罪であれば、弁護士による協力によって寛大な処分となる可能性もあるため、検討しておきましょう。
オンカジ逮捕に関するよくある質問
オンカジ逮捕に関するよくある質問をまとめました。
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。
オンカジが違法とされたのはいつから?
オンラインカジノ自体が違法とされているわけではなく、日本で賭博行為をすること自体が元々違法に該当します。
そして、オンラインカジノでお金を賭けると「賭博行為」と見做されるため、違法となってしまいます。
オンカジはバレる?
オンラインカジノを利用したかどうかは基本的にバレると考えてください。
例えば、オンラインカジノで勝利金を得た場合、金融機関の入出金履歴でバレてしまいます。
警察や税務署が本気で調査を行えば、オンラインカジノのプレイ履歴は簡単に特定可能です。
オンカジの利用者はどれくらい?
オンラインカジノの利用者は、約200万人いると言われています。
50人に1人の規模でオンラインカジノをプレイしたことがある人がおり、年間賭博の総額は1兆円を超えると見込まれています。
まとめ
オンラインカジノを利用すると逮捕されるのかについて解説しました。
確率的に言えば、オンラインカジノで逮捕される可能性は低いものの、今後取り締まりが厳しくなる可能性を考えると、摘発数が増えることは容易に想像できます。
ただし、初犯の場合や、少額の賭博の場合は、摘発された事例もありませんし、不起訴処分で済まされる可能性も考えられます。
常習的に繰り返しオンラインカジノでお金を賭けていると、常習賭博罪として逮捕されることがあるので注意してください。

